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転籍とは元の会社を退職して転籍先との間に新たな雇用関係を生じせしめることです。在籍出向は元会社との雇用契約は継続しますが、転籍は元会社との雇用関係が消滅する点で異なります。どちらの場合でも雇用契約の根本に関わる問題なので、使用者の一方的意思表示によることはできません。転籍の場合は出向に比べ、より具体的な労働者の同意が必要です。転籍について労働契約時に包括的な合意がある場合は同意がなくても可能なケースもありますが、自主退職に追い込むことを目的とした場合等、著しく不合理な場合は無効となります。
また、現行商法には会社分割に関する規定は設けられていませんが、会社分割制度の創設に関する商法改正案が国会に提出されました。この法案によれば、会社の権利義務については分割される営業の部分のみが当然に移転(部分的包括継承)することになっていますので、分社化によって会社を新設する場合に職種や労働条件が同じならば原則として本人の同意なくして転籍が可能となります。
この場合、転籍させる労働者の範囲については会社が分割計画書等に記載することによって定めることができるため、実質的な雇用調整に利用されることが懸念されます。そこで、労働省は労働者の保護を目的とした「会社分割労働契約承継案」を国会に提出しました。
この法案は、会社分割時のルールとして、下記の内容を柱としています。
原則的に労働契約は継承される
会社分割により従業員が転籍する場合に、分割計画を承認する株式総会の2週間前までに従業員と労働組合への通知を要する
承継される営業に主に従事していたにもかかわらず、労働契約が承継されない場合等には異議申し立てができる
これらの規定は労働者の同意に代替するものと考えられ、実務上重要な意味を持ちますので、今後の動向に注意が必要です。
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