Q.41 従業員に対する投資教育とは、どのようなことをするのですか?
 
A.41 確定拠出年金は、従業員が自己責任により運用し、その運用結果で給付額が決まります。そのためには、従業員に適切な資産運用ができるような情報・知識を身に付けてもらうことが重要になります。
事業主と運用関連運営管理機関は、加入時はもちろん、加入後においても、従業員の知識水準やニーズなどを考え、日本の年金制度と確定拠出年金の位置付け、確定拠出年金制度の具体的な内容および金融商品の仕組みと特徴、資産運用の基礎知識などについて従業員が十分理解できるよう、説明会の開催・パンフレット・ビデオ・インターネットなどを使い適切な情報提供を行う必要があります。
確定拠出年金は、運用により自分の積立資産が増えていくのを従業員が実感として感じることができるようになって初めて、制度導入が成功したといえます。
企業も確定拠出年金を導入してそれで終わりではなく、自社の確定拠出年金制度を定着させるためにも従業員と共に進歩していこうという姿勢が大切になります。

Q.42 従業員が運用商品を選ぶにあたり必要な情報を開示するとは、どのようなことをするのですか?
 
A.42

確定拠出年金は、従業員が自己責任により金融商品を選択、運用して自分の積立資産を増やすことを目的としています。ですから従業員に損をする可能性(リスク)やどれだけの儲けを予想できるか(リターン)などの正確な情報を伝えることは、非常に重要になります。
企業や運営関連運営管理機関が加入者等に対して金融商品の情報提供を行う場合は、最初にその商品が元本確保型の金融商品であるかどうかを提示する必要があります。
その上で、金融商品ごとに決められた内容をすべて印刷した目論見書などの書類を交付するか、コスト的に有利でありいつでも最新情報を知ることができるインターネットなどコンピュータを使った電磁的方法で具体的な情報を提供する必要があります。

運用商品の中で主流になると思われる信託商品を例にとると次のようなことを提示する必要があります。
  

  1. 商品名
  2. 信託期間(契約期間、信託設定日、償還期日、自動継続扱いの有無)
  3. 運用の基本方針、運用制限の内容
  4. 信託金額の単位
  5. 収益金の計算方法、支払方法
  6. 予想配当率
  7. 他の運用商品への預替えの場合の取扱い

Q.43 運用の指図は1年間に何回できますか、また、どのような手続が必要ですか?

 

A.43 確定拠出年金では、運用の指図を最低3カ月に1回できるように義務付けられています。
運用の指図は個人別資産を管理している資産管理機関ではなく、従業員それぞれが記録関連運営管理機関に対して行います。
運用の指図を受けた記録関連運営管理機関は、運用方法ごとに取りまとめ、資産管理機関に通知します。通知を受けた資産管理機関は通知に基づいて運用商品の契約と支払を行います。
運用商品の買い替えや運用商品の拠出比率の変更は最低でも一年間に4回できますが、そのたびに売買手数料や解約手数料が必要になることを理解しておく必要があります。
これらの手数料や投資信託などに掛る信託手数料などは個人別管理資産から差し引かれます。運用はある程度長期にわたって継続しないとその効果が表れません、頻繁に運用商品を変更すると運用に失敗します。

Q.44 どのような運用を心掛ければよいでしょうか?
 
A.44 確定拠出年金は、退職後の資産を作ることが目的ですので運用期間は長期にわたります。
そのためにはライフプランをしっかりとたて、退職後にどのくらいの資産があればよいか試算してみることが必要です。
試算により最終目標額が決まったら運用商品を選択し投資資産の配分を決定します。
運用関連運営管理機関が運用商品のリスク・リターン特性などの商品情報を開示するので、その中から特性が異なる商品を適切に組み合わせて運用する分散投資を心掛けるようにします。
結婚、子供の誕生、子供の進学、退職準備など状況が変化した場合は、ライフプランの修整を行うと共に、ライフプランの修整に対応するように運用方法を変える必要があります。
また、確定拠出年金の運用結果はすべて自分の責任だということを忘れずに、与えられる投資教育だけでなく、日本経済や世界経済の流れや運用商品の最新情報などを自ら収集する努力も大切です。

Q.45 税制適格年金の資産を確定拠出年金に移換できますか?
 
A.45 税制適格年金の積立資産を確定拠出年金に移換することは法に定められた一定のルールのもとで可能です。
ただし、確定拠出年金に拠出限度額がある関係で移換額に限度があります(毎月の拠出限度額×使用期間月数+利子相当分)、このために税制適格年金の資産全額を確定拠出年金に移換できないことがあります。
また、制度移行時の税制適格年金に過去勤務債務等という積立不足がある場合には確定拠出年金に移換できないことになっています。
税制適格年金は掛け金をひとまとめにして運用していますので、退職金規定から各人の個人別資産を明確に区分してから移換しますが、個人別資産全額を確定拠出年金に移換できなかった場合は退職金規定に退職時に支給するなどの経過措置を明記する必要があります。
資産移換額算出の時に使用した税制適格年金への加入期間は確定拠出年金の加入者期間として計算され、老齢給付の受給資格年齢が遅れないように配慮されています。
個人別に分けられた資産の移動は会社を通さず、直接、資産管理機関に送金されます。
最近、確定拠出年金を普及させるためと積立不足の税制適格年金の救済を目的として、所得税法施行令に新しい規定が加わり、税制適格年金が積立不足の場合でも給付を減額する手続をすれば確定拠出年金に移換できることになりました。