Q.1 確定拠出年金とはどのような年金ですか?
 
A.1 日本の既存の年金は、公的年金・企業年金(厚生年金基金、適格退職年金)とも賦課型 と積立型の違いはありますがすべて確定給付型の年金でした。
確定給付型の年金は、何歳からいくら給付するかを最初に決定し、年金数理計算により掛金額を決定する制度です。これに対し確定拠出型の年金は、掛け金をいくら拠出するかを最初に決定し、運用については各個人の自己責任で行い、結果としての給付額は各個人の運用成績により変動する年金制度です。
確定給付型の年金は掛け金をひとまとめにして全体で運用するため、個人の持分や運用方法が目に見えない年金制度ですが、確定拠出型の年金は資産を個人別の口座で管理するため個人の持分が一目でわかり、運用も自分のライフプランに合わせて自己責任でおこなえる目に見える年金制度です。
また、確定拠出年金の大きな特徴は、確定給付型の年金とことなり個人の年金資産を持ち運びできることです。
確定給付型の年金は終身雇用を前提として制度設計されているため、勤続年数が長くなるほど有利になり、転職志向の人や途中入社の人に不利になります。
確定拠出年金は長期にわたる資産運用効果が得られるように、転職のたびに積立てられた個人資産を税制優遇のまま持ち運びでき、転職志向の人や途中入社の人にも不利にならない制度になっています。

Q.2 日本の公的年金制度はどのようになっていますか?
 
A.2 日本の公的年金制度は国民すべてが加入を義務付けられている国民年金を土台にして成り立っています。
国民年金は、老齢、障害、死亡について、すべての人に共通の「基礎年金」を支給します。
二階部分として、厚生年金保険・共済組合など被用者年金制度の加入期間がある人には、「基礎年金」に上乗せしてそれぞれの制度から加入期間分の「報酬比例の年金」が支給されます。
第1号被保険者で保険料免除者および農業者年金(専業農家の上乗せ年金)の被保険者でない人は、任意で国民年金基金に加入することにより「基礎年金」に上乗せした年金を受給できます。

三階部分として、単独企業・グループ企業・同業組合等で設立された厚生年金基金がある場合は国からの代行部分と独自の加算部分(退職年金等)からなる厚生年金基金の年金が厚生年金に上乗せして支給されます。また、共済組合等では独自の年金である職域年金が共済年金に上乗せして支給されます。
国民年金の被保険者は、次の3種類に区分されています。
 

1.

第1号被保険者
日本国内に住所のある20歳以上60歳未満の人で2、3、に該当しない人、主に農業や自営業を営んでいるかたが該当します。
国民年金の保険料を収める必要があります。

2.

第2号被保険者
厚生年金保険の被保険者、共済組合の組合員・共済の加入者。20歳未満または60歳以上でも国民年金の被保険者になります。
国民年金の保険料は、それぞれの制度から拠出金として拠出されるので個別に収める必要はありません。

3.

第3号被保険者
厚生年金保険の被保険者および共済組合の組合員・共済の加入者の被扶養配偶者で20歳以上60歳未満の人、主にサラリーマン・公務員の専業主婦が該当します。
国民年金の保険料は、配偶者が加入しているそれぞれの制度から拠出金として拠出されるので個別に収める必要はありません。
 

Q.3 米国の401kとはどのようなものですか?

 

A.3 1974年に制定されたエリサ法(企業福祉・企業年金全般について定めています)による従業員福祉制度の選択肢の一つで、内国歳入法(米国の所得税法)401条k項に定められた要件を満たしている企業年金のことです。
給与を現時点で全額受け取って所得課税されるか、給与の一定額を現時点で受け取らずに運用して将来年金か一時金で受け取る時に課税されるか、を選択する制度(現金繰り延べ制度)のことで、個人の自己責任・自助努力による老後生活資金の確保を税制の優遇によって促す制度です。
拠出した掛け金は所得から控除され課税されません。また運用益にも課税は行われず、給付時(59.5歳から)に引出額に対して20%が源泉徴収されます。
一見、私的年金のようですが401kプランが企業年金として優れているのは、企業が401kプランに相乗りしてマッチング拠出をすることができること及びポータビリティが確保されていることです。
マッチング拠出とは、401kプランに加入している従業員の拠出金額を限度として(通常35%〜50%が多い)従業員の拠出金額に上乗せすることで、従業員の個人別運用資産を増加させるとともに自社の401kプランに対する加入奨励策となります。
企業の拠出金額は全額損金扱いになりますし、従業員にとっても自分の拠出分と同じ扱いになり課税されません。
ポータビリティは、IRA(個人で加入できる退職金貯蓄制度で、掛け金を全額個人で拠出する以外は基本的に401kとほぼ同じです)を転職者の個人運用資産の受け皿にすることにより確保されます。
転職が頻繁に行われる米国において401kとIRAを利用することにより、転・退職時の個人資産を受取時まで課税繰り延べのまま保持できることになります。
 

Q.4 日本の確定拠出年金はどのような制度になっていますか?
 
A.4 日本の確定拠出年金制度は企業型年金と個人型年金の2種類があり、国民年金に加入している60歳未満の人が加入できます。
企業型年金は企業型年金を導入した厚生年金適用事業所に勤める被用者年金被保険者等(厚生年金に加入しているサラリーマン、私学共済に加入している教職員、農林漁業職員共済組合に加入している農協職員など)が加入でき、企業型確定拠出年金以外の企業年金制度の有無により拠出限度額が違うふたつのタイプがあります。
(私学共済に加入している私立学校と農林漁業職員共済組合に加入している事業所は企業年金制度がある事業所とみなされます。)
米国の401kを参考にして制度が作られていますが米国の401kが個人拠出を基本としているのと違い企業型年金では会社が全額を拠出し、個人で拠出することはできません。
個人型年金は、国民年金基金連合会に申し出ることにより加入できます。
自営業者などの国民年金だけに加入している第1号被保険者だけが加入できるタイプ(1号加入者)と企業型確定拠出年金と他の企業年金のどちらも無い会社に勤める厚生年金被保険者(厚生年金に加入しているサラリーマン)だけが加入できるタイプ(2号加入者)があります。
転職などによる個人別管理資産の移動(ポータビリティ)は、国民年金基金連合会の個人型年金をつなぎ勘定として利用することにより確保しています。

Q.5 だれでも加入出来るのですか?
 
A.5 国民年金被保険者のうち公務員と専業主婦(第3号被保険者)をのぞく60歳未満の人は確定拠出年金に加入出来ます。
国民年金法に定められている60歳未満の第1号被保険者(自営業者、農家など)は個人型年金に加入できます。(1号加入者といいます)
60歳未満の第2号被保険者のうち厚生年金保険に加入されている人で会社に企業型確定拠出年金がある場合は企業型確定拠出年金に加入します。
会社に企業型確定拠出年金・他の企業年金のどちらも無い場合は、任意で個人型確定拠出年金に加入することができます。(2号加入者といいます)
私学共済に加入している私立学校か農林漁業職員共済組合に加入している事業所にお勤めの人は、私立学校・事業所に企業型確定拠出年金がある場合にだけ企業型確定拠出年金に加入できます。
私立学校・事業所に企業型確定拠出年金がない場合には、2号加入者になることはできず、個人型確定拠出年金の加入者になることはできません。
60歳未満の第2号被保険者のうち公務員共済組合の組合員である公務員と3号被保険者(サラリーマンや公務員の妻である専業主婦)は確定拠出年金に加入できません。